東京都多摩市を拠点として1996年より活動しているボランティアグループです
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「要約筆記」は、聴覚障がい者のための、コミュニケーション保障の一つの方法です。
この情報保障手段は、最近では新聞紙上でも見られるようになってきましたが、まだまだ一般的にはあまり知られていないのが現状です。
東京都では、昭和57年から要約筆記奉仕員養成講習会(夜)が昭和61年(昼)も始まりました。平成11年4月厚生省が、要約筆記のカリキュラムを全国の市町村に通達し、それにより区市町村でも講習会や研修会が開かれるようになりました。
要約筆記の定義とは、障がい者のための、コミュニケーションの保障の1つの方法であって、話しの内容の要点をつかんで、これを筆記して、聴覚障がい者に伝達するものです。 (全国要約筆記問題研究会が作った定義です)
聴覚障がい者とひと口に言っても、失聴時期の違いによって、それぞれコミュニケーション手段は異なります。
必ずしも、厳密に区別できる訳ではありませんが、聴覚障害は大きく、3つに分けられます。
ろう者 ・・・生まれた時、また言葉を獲得しない頃までに、病気や薬害等で聴こえなくなった。
中途失聴者・・・人生の半ばで、病気・事故等、またストレスのため突発性難聴になり聴こえなくなった。
難聴者 ・・・軽い難聴が進行し、聴こえなくなる進行性の難聴。高齢で聴こえにくくなった方、聴こえが悪くなった。
ろう者の場合は、手話という言語を持っていますから、1対1で交流ができます。
しかし、急に音を失った人、段々聴こえなくなった人は、自分は話せても相手の話が全く聞こえないので、第3者が書いて交流したり、自分で書いて伝え、相手も書いて伝えています。
そこで、要約筆記は、手話の分かる方には、指文字や専門用語等の時、言葉の確認として、
また手話の分からない方には、その場で話される内容を、リアルタイムで書いて伝えます。
書かれたものを読むことで、聴こえない方が、話の内容が分かる。
同じ所に聴こえる人も聴こえない人も一緒にいて考え、行動でき、発言をし、 一緒に採択に加われるというその場に参加ができているということ、
そういった「参加の保障」をすることが要約筆記の目的です
要約筆記者は、プライバシーを守ることが義務づけられます。
要約筆記者は、依頼者のプライバシーに関わるため、プライバシーを守ることが義務づけられます。
これは守秘義務であると同時に、信頼にも通じることです。
要約筆記者として常に責任ある行動をとらねばなりません。
以下は要約筆記者としての心得です。
・通訳者としての任務を果たす
「通訳してあげている」という自己満足でなく、通訳を受けることで聴こえない人が、その場所に参加できている、 ということを基本に持ち通訳者としての任務を果たして欲しい。
演者・話し手のメッセージ源と聴こえない人とを直接むすびつける役割です。
話を正確に伝達して話し手と受け手のコミュニケーションを成功させる「仲介者」です。
・秘密を守る(ボランティアの基本理念)
要約筆記の活動で知り得たことは、絶対に外に漏らしてはいけない。
・相手のニーズに合わせる
講習会や研修会で、「こうしましょう」と教えられ、現場に行くと、聴こえない方から、いろいろ要望があることもあります。
それに対し「そういうことは教えてもらわなかった」というのでなく、できる限りの範囲であわせて欲しい。
利用者から何を求められているかということを第一に考えて欲しい。
要約筆記の活動には、相手があります。
自分では「良い事」だと思っていても、相手を傷つけていることもあります。
相手が何を求めているかを理解しなかったために起こります。
善意は尊いものですが、おしつけは困ります。
・時間を守る
決められた時間、約束の時間は守りましょう。
・越権行為をしない
要約筆記者は、聴こえない方の代弁者であったり、補助者であってはいけません。
通訳をおこなっている時、その場の会議の進行に口を出してはいけません。講義の進行についても同じです。
通訳の現場では、通訳に徹してください。
・服装に気をつける
その場その場に合わせた、服装で行ってください。
・無理をしない
義務感で、風邪をひいて無理をして行ったら、依頼者に余計な気を使わせたり、仲間に迷惑をかけることになります。
・事前準備と活動後の反省
・常に学習が必要です
聴こえない人と、日ごろコミュニケーションを持っている人が、要約筆記しやすいのは、当たり前です。
団体関連、いろいろな聴覚障がいに関する知識、人の名前などは、知ると知らないでは、違ってきます。
ログの扱い:パソコン要約筆記のご利用にあたって
多摩市要約筆記サークルは、耳から情報を得ることが困難な方々が参加する場における通訳・情報保障としてのパソコン要約筆記者を派遣しています。パソコン要約筆記のご利用にあたっては、次のようにご理解願います。
要約筆記には、書いたものを残す記録としての性格はありません。パソコン要約筆記で入力・表示された文字情報等は、音声による通訳と同様、残らないものとお考えください。
要約筆記者は守秘義務を負っています。通訳現場で知りえた情報を口外したり、外部に流出させることはいたしません。お預かりした資料もご依頼者にお返しします。
通訳後のログについては、次のようにお考えください。
1)通訳という性格上、入力機、表示機ともにログは保存しない設定で通訳をします。したがって、ログは残りません。
2)記録が必要な場合は、記録者を依頼してください。当サークルでも記録者の派遣についてご相談を受けますので、遠慮なくお申し出ください。
パソコン要約筆記者は、通訳の現場では責任をもって情報保障に努めますが、何か問題があったときには、パソコン要約筆記者にではなく、当サークルにご連絡願います。
以上の事柄についてのご相談、お問い合わせは当サークルまでお願いします。